確定申告とは
2007/12/01 17:46
私もそうでしたが、はじめて確定申告にチャレンジするに当たって感じたことが、いったい確定申告とはなんだろう・・・ということ。
今となってはなんとなくぼんやりわかってきましたが、当時としては「領収書って?」「所得税??」「決算書????」ってな具合だったので、何から手をつけていいのかさっぱり・・・。
当サイトでは、初めての確定申告にチャレンジするに当たって「会計ソフト」を勧めていますが、確定申告の流れも知らずにさらに訳のわからない(?)ソフトを使いこなさなければならないとなると、余計混乱するでしょう。
そこでここでは、ざっと確定申告までの流れを説明しておきます。
確定申告までの手順
ここで対象にするのは、私のような個人事業主とし、確定申告も白色申告で申告する人を対象にします。
青色申告でも同じ進み方なのですが、青色申告の場合は「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要になってきます。
青色申告で申告すると、所得税や来年度の住民税・健康保険の合計がウン万円から十数万円ほど安くなるのですが、そのためには先ほどの「青色申告承認申請書」を事業開始時に税務署に提出しておく必要があります。
また、複式簿記(単式簿記も可)で記帳しなければならず(会計ソフトを使うと、簡単に複式簿記で記帳してくれる。会計ソフトを勧めるのはそのためです)、おそらく「確定申告ってなに?」というレベルで、会計ソフトも使わないのであればちょっと敷居が高いからです。
まぁ、会計ソフトを使うにしろ、流れ的には変わらないのでざっと目を通しておいてください。
まずは税務署に足を運んで、必要な書類をもらってきてください。
一度確定申告をすると翌年から郵送で届きますが、最初はとりに行かないとイケません。
「白色申告をしたいんですけれど」
なんて感じに言えば、必要書類がもらえるはずです。
私の時はこんな一式がもらえました。
→ 税務署に用紙を取りに行く
収入分を計算する
もうさっぱりわからん!!!
なんて言う人でも、最低限(?)入ってきたお金の合計だけは最低限計算してください。
これは銀行振込でお金が入ってくる場合は、入ってきたお金(事業以外で入ってきたお金まで含める必要はありませんが・・・。たとえば、親からお金を借りた・・・なんてお金は事業とは無関係なので)を足していけばOK。
もちろん、申告年度分のだけです(事業を始めて1年未満の場合は、事業を始めてからの合計)。
確定申告は、所得税を求めるための計算を自分自身でやって申告してくださいよ。ってなシステムなわけです。
んで、簡単に言ってしまえば入ってきたお金のウンパーセント(5%~)が所得税として納めなくてはならないんですね。
たぶん、どんな初めての人でも銀行の通帳とにらめっこすれば、この計算に10分程度しかかからないでしょう。
仮に、1年間の入ってきたお金を足していったら、200万円だったとします。
で、ここまででたら実はもうほとんど確定申告に必要な計算は終わったようなもの。
「収支内訳書」に200万と記載して、「申告書B」にも200万と記載すればOK。
→ 終止内訳書の例 収支内訳書設定 売上・仕入の明細
→ 申告書Bの例 収入を計算する
申告書Bには、それ以外に基礎控除38万円(この後説明します)と、引いた金額162万円、そして所得税8万円を記入するだけ・・・・
所得税・・・8.1万円 ※ 一括で税務署か、銀行振込で支払う
住民税・・・16.2万円 ※ 翌年分割して支払う
どうです?簡単でしょ。
とにかく入ってきたお金は1円も残らず足していってください。
どうしても確定申告がわからない!と言う人でも、これだけは必要です。
経費を求める
さて、実際には税務署にとっては上の入ってきたお金の合計金額だけを記載してもらうのが一番嬉しいんじゃないかなと思います。
なにせ200万の収入に対して、所得税+住民税の24万円!
いくらなんでも収入200万円の約15%ほどに当たる24万円を支払うのは酷でしょう。
さらにさらに、国民年金と国民健康保険を加えると・・・翌年に払う税金の合計が50万円近くになってしまいます。
※ 国民健康保険は、世帯主が支払うので家族構成によって違ってきます。
※ 40才以上の場合は、介護分保険税額が加わってきます。
※ 国民年金は、1ヶ月14,100円
そこで・・・
事業として使ったお金を、先ほど求めた金額(200万円)から引くことが出来ます。
たとえば電気代、ガソリン代、えーっと、それから確定申告をするために買った本とか、接待費とか・・・。
私のようにフリーのプログラマーやアフィリエイターなんかの場合は、こうした経費の金額は微々たるものしかありませんが、意外と計算してみると10万円ぐらいになったりします。
→ 経費の計算
さて、経費も同じように足していくわけですが、経費の場合は領収書に記載された金額を足していきます。
クレジットカードで支払った場合は、クレジットカードの明細が必要です。
領収書は税務署に提出するわけではありませんが、税務調査が入った場合なんかに提出が求められることがあります。
なので、もってもいない領収書の金額を足してはいけません。
もちろん領収書なんて捨ててしまった。あるいはもらってない!なんて言う人は、この計算は不要です。
が、たいてい電話の領収書や電気代の領収書はもっているでしょう。
電話代や水道電気代は、すべてが経費として認められるわけではないので、按分しなくてはなりませんが、これだけでもかなりの額になると思います。
今回経費を合計したら、20万円になったとします。
すると、先ほどの200万円から20万を引くことが出来る(収支内訳書に記載する)ので、180万円になりました。
→ 経費を計算する
→ 収支内訳書記載例
200万円 - 20万円(経費分) - 38万円(基礎控除) = 142万円
所得税・・・7.1万円
住民税・・・14.2万円
少なくとも先ほどより2万円(国民健康保険を合わせるともっと)ほど税金が安くなりました。
まだ高いですけれどね。
所得控除
さて、ここまでで大変な作業はほとんど終わりました。
一番大変なのは、銀行の通帳を用意するのと、領収書をかき集める作業でしょう。
あとは足していくだけです。
確定申告というと難しそうですけれど、実際には足したり引いたりするだけで完了です。
先ほどの例では、所得税の額が約7万円になりました。
申告書Bに7万と記載し、税務署に提出すれば所得税は7万円ですよ。といわれて、支払い方法を説明されて終わりです。
が、先ほども言いましたが、収入200万円で所得税7万は高すぎる!
住民税、国民年金、国民健康保険を加えると45万円ぐらい(収入の1/4!!!)が税金としてとられてしまいます。
っと、ここで詳しく説明しておくと、住民税も国民健康保険も所得税の額(正確には課税所得(所得税を求めるための金額)の額)によって決まります。
所得税が高かった人は、同じように住民税も健康保険も高くなるわけです。
ただし、国民年金は一律に額が決まっているので関係ありませんが。
実際には個人事業主程度であれば、経費はそれほどの額ではなかったと思います。
水道屋や大工といった職人や、オークションやネットショップで物販をしている人なんかはかなりの額になったかもしれませんが、フリーの作家やらプログラマー、アフィリエイターであればそれほど経費がかかるわけではありませんし。
そこでこの所得税をなんとか低くしたいわけですが、ここで所得控除というのが大きく影響してきます。
先ほど38万円という金額を引いていきましたが、これが所得控除の一つで、基礎控除といいます。
38万円というのは、申告する場合すべてに適用される控除で、専業主婦が年間38万円を超えない収入だった場合は、確定申告の必要がない。というのは、この基礎控除38万円から来ています。
つまり、38万円以下であれば所得税がかかりませんよ。ということ。
だから申告しなくてもいいですよ~。って事です。
各控除にはそれぞれ名前が付いていて、今説明した基礎控除以外にも、医療控除(医者にかかった金額を引くことが出来る)、社会保険控除(国民年金や国民健康保険で支払った全額!!)、扶養控除(ご両親やお子さんがいる場合で条件にマッチしていた場合)や、配偶者控除(奥さんや夫が専業主婦・専業主夫の場合)等々があります。
これが結構バカにならない額でして。
たとえば、国民年金なんぞはきっちり払っていれば20万円近くになりますし、健康保険もかなりの額になるはずです。
ご両親が70歳を超えていれば、58万円!にもなります。
さて、仮に国民年金・健康保険で支払った額が、30万円。
お袋が70歳を超えていて、年金暮らし・・・なんて言う場合だとして58万円の、計88万円になったとします。
200万円 - 20万円(経費) - 38万円(基礎控除) - 88万円(その他の控除) = 54万円(課税所得)
肝心の所得税は・・・なんと2.7万円。
所得税だけで先ほどより4万円以上安く!!
所得税・・・2.7万円
住民税・・・5.4万円
国民年金と国民健康保険を加えても30万程度でしょう。
結論として
結論としては、確定申告は単に去年の収入を報告して、所得税額を決めるだけでなく、所得税を減らすための色々な計算をして申告するって事になりますね。
ど~~~してもよくわからない!っていう場合でも、収入の合計を書いて提出すれば(漏れさえなければ)おとがめされないわけです。
その代わり税金がすんごいことになるよ・・・と。
所得控除(上で出てきた基礎控除とか配偶者控除、扶養控除とか)は、計算が超簡単な割に、節税効果として莫大な影響を与えます。
これらの詳しい説明も、当サイトでは画像(用紙とか控除用のはがきとか)を用いて説明しているので参考にしてください。
確定申告は難しいか
今までの流れをみていると、なんだ確定申告ってそんな簡単なの?なんでみんな年明けになると大騒ぎしてるの?ってな感じに思ったかもしれませんが、白色申告の場合はこんな感じで終了します。
記帳義務
ところが、白色申告にしろ青色申告にしろ、記帳義務があるんですね。
ただ、白色申告の場合は罰則がないんですけれど。
青色申告の場合、複式簿記という細かい記帳方法で記帳し、貸借対照表を申告書と一緒に提出しなくてはならず、この記帳作業とかが面倒なんですね。
記帳って言うのは2パターンあって、白色申告なんかの場合は単純に何日にいくらは言ってきたか、もしくは支払ったか・・・を記述していく方法。
もう一つは複式簿記といって、誰にいくら払って、誰にいくら売上が発生したか、またその振り込みされた日付・・・等々を詳しく記述していかなければならず、この作業がめんどっちい。
会社なんかに専属の経理がいるのはこのためですね。
この入力やら記入作業にみんな必死になっていると。
ただ、会計ソフトを使うと、フリーライターやアフィリエイター程度であれば、1週間もあれば入力完了してしまうし、強制的に(?)難しいと言われる複式簿記で入力していくので、私がおすすめしているのもそうした理由があるからです。
で、複式簿記にするとどういうメリットがあるかって言うと、先ほどの経費やら所得控除以外に、青色申告特別控除っていう特殊な控除が発生しまして。
この額が65万円。
と、先ほどの計算式に当てはめると・・・
200万円 - 20万円(経費) - 38万円(基礎控除) - 88万円(その他の控除) - 65万円(青色申告特別控除)
= -11万円(課税所得)
と、マイナスになるんですね~。つまり赤字。
この場合、支払うべく所得税の額は0円!!
住民税も健康保険も最低料金に納めることが出来るわけです。
さらにさらに、青色申告の場合はこのマイナス分を来年の控除にまわすことが出来ます。
つまり、仮に翌年に211万円の収入になっても、赤字の繰越で11万円を控除でき、同じように所得税を0円にすることが出来るわけです。
赤字とは
私が確定申告をしようと思っていろいろな人にきいたときに、いろんな人が「うちは初年度は赤字だったんだよね~」なんてことを言うんで、
「赤字??じゃぁ、生活費とかどうするの???」
なんて思っていましたが、実際にはこんなカラクリだったんですね。
上の例でいえば、200万円の収入があって、所得税や住民税、それから経費で50万円の出費があった。でも、残りの150万円はちゃーんとあるにもかかわらず、赤字・・・ってわけです。
会計ソフトを使う
会計ソフトを使うと、こうした計算を入力していくだけで自動で計算してくれると同時に、複式簿記での記帳、決算書の作成等々までやってくれるんですね。
後、どうしても入力ミスやら、後から領収書が出てきた!とか誤りが発生しても入力し治せば、すべて一気に自動で修正してくれると。
会計ソフトといっても1万円程度(もちろん経費で落とせる)なので、手書きで1週間かかるような作業を考えたら、かなり得なんじゃないかなぁ。と。
私自身、会計ソフトがなければたぶん確定申告できないかもしれないし・・・。(笑)
で、今回は確定申告までの流れをざっとみてきましたが、当サイトでは会計ソフトを使った確定申告の仕方を画像や画面の一部を紹介しながら説明していますんで、ぜひ参考にしてください。
【 めい 】 2007/12/02 23:08
今年開業し、来年青色申告します。
はじめてのことで、右往左往していますが、
こちらのとてもわかりやすい説明に助けられています。
確定申告時には、さらにお世話になるかと思いますが、宜しくお願いいたします。
【 管理人 】 2007/12/04 12:38
こんにちは。
私も去年は右も左もわからず、毎日不安に駆られた日々を過ごしていました。
私のサイトですべてを理解するのは不可能かもしれませんが、少なくとも悩みを半分に軽減させる内容にしていきたいと思います。
この記事の間違いを指摘する
2007/12/01 17:46 | このページのトップへ | コメントを書く | 管理