現金とは
2007/01/31 23:25
確定申告の勉強をしていて、色々な本を見ていると出てくる「現金」という単語。
税金・経理に出てくる単語の中でも最もありふれた単語ながら、よくわからん・・・。
今の時代、お金のやりとりは振込・引落なのにいったい現金とは??
経理の世界の現金
たとえば。
電気屋で12,000円のプリンターを購入した。 お金は財布から出した。
という取引があった場合、
- 事業で使うためのプリンターか
- 事業とは無関係に個人的に使うために買ったか
で、帳簿(もしくは会計ソフト)に記入するか違ってきます。
もっと詳しく見てみると、現金でプリンターを購入する場合、以下の4パターンが考えられます。
- 事業用の現金で、事業用に使う12,000円のプリンターを購入した
- 事業用の現金で、個人的に使う12,000円のプリンターを購入した
- 事業とは関係のない財布に入っていたお金で、事業用に使う12,000円のプリンターを購入した
- 事業とは関係のない財布に入っていたお金で、個人的に使う12,000円のプリンターを購入した
まだ経理についてよくわからないという人であれば、この4つを聞いてもいまいちピンと来ないでしょう。
財布に入った現金はわかる。でも、事業用の現金って??
金庫に入った現金
私がはじめて就職した会社。
私と社長と、社長の妹が経理を務める小さなデザイン会社だったんですけれど、小さな会社ということもあって社長と社長の妹と会社のお金のことがよく耳に入ってきました。
「税理士さんに聞いてみな」とか「会社のお金」とか・・・。
私が作品をお客のところへ納品へ行くと、かかった交通費を出金伝票に書かされ、その伝票と引き替えに私が立て替えておいた交通費分のお金をもらっていたのを覚えています。
作品に使うための資料としてなにか買った場合も同じように、私が一時立て替えてそのお金と引き替えに出金伝票を書かされました。
そしてその時、伝票と引き替えに渡されるお金は社長の妹の机の上に載っていた小さな金庫から取り出したお金でした。
たまに、社長しかいないときは社長の財布から出すこともありましたが、その時も、
「さっき、○○君(私のこと)が立て替えておいた、写真代の2,000円、俺の財布から出しておいたから」
そう社長の妹に声をかけ、やはりそこから社長へ私へ払った分のお金が動くのでした。
そしてこの小さな金庫に入った現金こそが、ここでいう事業用の現金になります。
そして、このお金は「現金出納帳(げんきんすいとうちょう)」という帳簿で管理されます。
たとえば、アフィリエイトのようにほとんど経費がかからないような事業でも、たとえば、プリンターやつい先日の私のように確定申告用の解説本等を現金で購入しなければならないような場面に遭遇します。
アマゾンや、ネットのオンラインショップで購入すれば、現金は必要ないんですけれど、全てがオンラインショップで済むわけでもありませんし。
そこで、あらかじめいくらか現金を手元に置いておき、事業で使うような品物を現金で購入する場合にこの現金を使うようにしておけば、帳簿の管理も楽になると。
預金口座から事業用の現金を引き出す
財布に入っていた現金をそのまま事業用の現金にしてしまってもいいんですけれど、たいていは預金から引き出して。という感じになると思います。
左の画像は「やよいの青色申告」の「預金出納帳」の画面です。
1月1日の段階でもともと10万円が残高として残っています。
で、1月1日にこの口座から「事業用の現金」として5万円を引き出しました。
この場合の記入例は、画像のように「相手勘定科目」に「現金」。
「摘要」に「預金から引き出し」になります。
また、会計ソフトではあまり「借方」「貸方」は意識しなくてもいいのですが、
借方:現金 / 貸方:普通預金
となると思います。
今度は「現金出納帳」を開いてみると、左の画像のように今引き出した現金が追加されていました。
パターン別記入例
事業用の現金で、事業で使うプリンターを購入した場合
事業用の現金で、事業に使う商品を購入した場合は「現金出納帳」に記入します。
左の画像は、12,000円のプリンターを購入した場合の例です。
この場合は、当然会計ソフトも自動的に経費として処理してくれます。
左の画像は、「現金出納帳」に記入したあとに、決算書を開いたときのものです。
きちんと消耗品として今入力した12,000円が記入されています。
注:やよいの青色申告の決算書では、体験版の場合10円未満は米印(*)表示になります
事業用の現金で、個人で使うプリンターを購入した場合
このパターンはあんまり無いと思いますが、財布が空で事業用のお金を使わなければならなかった場合ですね。
この場合も「現金出納帳」に記入します。
ただし、「相手勘定科目」が「事業主貸」になります。
つまり事業用のお金を貸したということですね。
当然の事ながら、この場合は経費として認められません。
やよいの青色申告で入力したあと、決算書を開いてみても先ほどと違って経費として入力されていません。
事業に関係のない現金で、事業で使うプリンターを購入した場合
ちょっとややこしいですね。ただ、私のように弱小個人事業者はこのやり方でもOKだと思います。
この場合は、事業用の現金は全く増減しないので、「振替伝票」に記入します。
「借方」に「消耗品費」。
「貸方」に「事業主借」を選択します。
個人の財布から、事業にお金を借りたって事ですね。
「摘要」は、何を購入したかわかりやすい文章を。
この場合は、事業用の現金は全く増減してないので、現金出納帳も変化しません。
事業と関係ない現金から事業で使う商品を購入した場合も、もちろん経費として処理されます。
事業に関係のない現金で、個人で使うプリンターを購入した場合
この場合は、何も入力する必要はありません。当然経費としても処理されません。
現金出納帳は必要か
事業用の商品を現金で購入する場合は、
- 事業用の現金から購入する場合
- 事業と関係ない現金から購入する場合
の、2パターンが考えられます。
たとえば、私のように弱小個人事業主で、事業用の口座も、個人の口座も同じものを使っているような場合、事業用の現金だろうが財布に入っていた現金だろうが、それほど区別する必要はありません。
たとえば、
事業用の現金など用意しとかなくても、プリンターを購入したいときに必要な金額だけ事業用の預金から引き出し・・・
引き出したお金を、財布に入っていたお金として購入し(先ほどのパターン3と同じ)、入力するときは「振替伝票」で処理してやってもいいわけです。
この場合は、現金出納帳には一切記入しなくてもOK。
出納帳には「現金出納帳」と「預金出納帳」があるわけですが、2つの帳簿を管理するのはめんどくさい!なんていう場合は、上のように「預金出納帳」と「振替伝票」だけで記帳することも可能です。
あんまりこんなこと書くと、経理の専門家からなんか言われそうですが、こういう仕訳もあるということで。
私も実はこっちのやり方でやってたり。w
白色で課税対象分が300万円以下の個人事業主であれば、出納帳自体意識しなくてかまいません。
現金で事業で使う商品を購入した場合の注意
入力方法もそうですが、経費として認めてもうらうには領収書が必要です。
現金で何か購入したときは、領収書を発行してもらうようにしてください。
参照:領収書とは
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