年末調整とは?
2010/12/09 00:20
年末調整とは
日本は他の国(アメリカとか)と違って、会社勤め(サラリーマンやOLなど)の方は、確定申告は会社が行ってくれます。
年末調整の説明に行く前に確定申告とは何かというと、1年間の収入の合計を求め、それに見合った所得税を算出する事。になります。
つまり、確定申告によって支払うべき税金は所得税になるわけです。
さて、サラリーマンの給与明細書を見てみると、毎月毎月所得税が引かれていますよね。
だいたい5~20%ぐらいになると思います。
今、確定申告によって所得税の額が決定されると書きましたが、なんで1年経って(正確には12月31日までの収入)いないのにもかかわらず、所得税の額がわかるのか??
実は、この毎月引かれている所得税は、「源泉徴収税」といって、1カ月当たりの給与の額から、1年間分の総収入額を計算し、だいたいこんぐらいの年収になるから所得税はこんぐらいになるだろう。という計算が導き出されて、その計算結果から毎月引かれているのです。
詳しくは、国税庁 源泉徴収税表(平成20年度以降)を参考にして下さい。
このページを見ると、1カ月当たりの給与だけでなく、日給やボーナスからも計算できることが分かります。
最初に「1年間の収入を計算し」と書きましたが、正確な収入は12月31日にならないと実際にはわかりません。
年収が高い人ほど所得税率が高い
日本の所得税は、低所得者にやさしい制度になっていて、低所得者ほど税金が安くなるような仕組みになっています。
たとえば、年収200万円の人の税金(所得税)が、仮に10万円だったとしましょう。
年収400万円の人の税金は、倍の20万円か。というと、実際には37万円ぐらいだったりします。
年収800万円の人は、なんと120万円ぐらいになります。
年収200万円の人の12倍も!
このように、年収が高い人ほど年収に対する税金の割合も上がっていき、このことを累進課税といいます。
計算方法は、国税庁 所得税の税率に乗っています。
なぜ累進課税について説明したかというと、この所得税率は1年間の総収入(正確には課税所得ですが)がわからないと所得税率がわからない訳です。
毎月一定の給与なら、だいたいの課税所得もわかるんですけれど、実際には勤務日数によって丘陵に変動があったり、ボーナスがあったり、臨時的な収入があったりで正確な値はなかなか求めることができません。
さらに2か所以上で働いている場合、源泉徴収は1つの会社の給与額から求めるので、2つ以上の会社で働いていると、正しい源泉徴収税が違ってきます。
一方の会社で10万、もう一つの会社で10万の収入がある場合、それぞれ10万円分の源泉徴収税になりますが、本来は20万で計算しなくてはならず、当然10万の源泉徴収×2倍ではなく、もっと多くなります。
また、年収600万円の人が6月で会社を退職し、その後無職だったので1年の年収は300万円だった。という場合は、所得税率が低くなるわけです。
控除
それ以外にも、所得税は控除といって収入から支払った社会保険額を引いたり、扶養家族や配偶者がいる場合、扶養控除・配偶者控除で最大38万円が控除されたり、生命保険なんかに入っていれば最大5万円が控除されます。
所得税の計算に使われる課税所得は、年収からこうした控除を引いた額になるので、控除額が多ければ多いほど、所得税率が低くなり、所得税が安くなるわけです。
ところが、人によって扶養者がいるかいないか、配偶者はいるかいないか、さらに生命保険に入っているかどうかは違うわけで、1カ月ごとの給与の額では正確な課税所得が求められません。
年末に会社から年末調整の用紙が渡されると思うのですが、これに扶養家族や配偶者がいるかどうかを記述しなければならないのは、この為です。
また、医療費が年間10万円以上かかった場合も控除されるので、控除額は12月31日になるまでわかりません。
年末調整を行う理由(わけ)
というわけで、源泉徴収では1カ月当たりの給料の額から算出するので、正確な所得税とは微妙にずれてくるというのと、控除も12月31日にならないとわからないし、人によって控除額がまちまちなので、年末調整で本来払うべき所得税はいくらかを計算し、そのことを年末調整というのです。
年末調整の時に、会社から「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」の用紙を渡されるのは、控除の額を算出するためです。
人によっては離婚したり、両親が無くなられたり、子供が生まれたり毎年扶養家族もかわってくる可能性があるので、毎年年末に申告するわけですね。
当然独身の人や、奥さんが働いていたり、扶養する家族がいない場合は、「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」には自分の名前を書いて提出するだけでOK。(あとハンコも必要)
もちろん、会社に勤めている人は、会社が全部やってくれるので、用紙を記入して提出するだけで大丈夫。
年末調整をするとお金が返ってくるのは、こうした理由です。
個人事業主や退職した場合は?
個人事業主の場合は、取引先(お客)が源泉徴収をして振り込んでいる場合もあるので、自分で確定申告すると、お金が戻ってくる可能性があります。(もちろん自分で確定申告する必要があるわけですが)
途中で会社を退職した場合や2か所以上で給与所得がある場合は、会社から源泉徴収票をもらって、自分で確定申告する必要があります。
確定申告のやり方(というか申告書の書き方)は、副収入(FX・アフィリエイト)の確定申告を参考にして下さい。
また、ヤフーオークションやアフィリエイト、株や不動産なんかで収入がある人は、源泉徴収されていないので、源泉徴収は関係ないですね。
自分で確定申告して、その時に所得税が決定します。
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