扶養控除と配偶者控除の違い

民主党が政権を取得してから注目を集めているのが、扶養控除・配偶者控除が無くなると言うこと。わかりにくいかもしれませんが、増税です。

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扶養控除と配偶者控除の違い

2010/01/26 15:33

 

民主党が政権をとってから、扶養控除がなくなるという話題がちらほら目にするようになってきたと思います。(配偶者控除もなくなるかもしれません)
と、同時に、これは増税だ!なんて訴える人も見かけるようになってきました。(実際、かなりの増税になるかも)
もともと扶養控除ってなんなんでしょうか。
配偶者控除との違いは?
※ 控除額や控除が適用されるかどうかはその年によって違ってきます。以下は、2010年1月現在のものです。
また、正確な金額は、税理士でないと計算がむずかしいので、参考程度にとらえてください。

扶養控除を簡単に説明すると、子供、そして定年を過ぎた老人というような収入がない人と生活を共にしている場合、彼らの生活費分も稼がないといけないため、生活費の足しになるぐらいの税金を安くしてやろう。というような仕組みです。
これは、サラリーマン、個人事業主、どちらにもあてはまります。
また、配偶者控除とはまた別になります。
配偶者控除は、今度は奥さんに対しての控除になります。

よく、パートで103万円を超える収入があると、扶養から外れる。というような表現を聞きますが、これは正しくは、配偶者控除の対象から外れる。という表現になります。

年末になると、会社から扶養控除申請用の用紙をもらっていると思います。
あれは、自分の家族に扶養控除・配偶者控除に該当するような人がいるかどうかの申請になります。

所得税も、住民税も、収入によって税率が違ってきます。
年収が低い人ほど、税率は低くなります。
たとえば、同じ年収でもかたや独身貴族。 もう一人は、専業主婦に子供が二人いる。なんて場合は、後者のほうが生活費がかかるため、扶養控除によって年収から控除という形で収入から引くことによって、税金が安くなるわけです。

どれくらい安くなるかって言うと、(年収に応じて変わるので一般論として)扶養控除は38万円になるので、年収が300万だとしたら、38万円を引いてやって、262万の年収ということになります。
所得税が10%とすると、年収300万の所得税は30万円になりますが、扶養控除によって26万2千円(262万の10%ですね)になるわけです。
約4万円ほど安くなるわけです。
年収が上がれば、税率も高くなる(10%が最大50%に)ため、600万の年収の人が二人いて、お子さんが独りいるかいないかで、扶養控除が適用される場合、もっと差が出てくるわけです。

扶養控除と配偶者控除

扶養控除は、配偶者控除に該当しない生計を一にした(納税者が養っている)親族がいる場合で、配偶者控除は、その名の通り、配偶者がいる場合に適用されます。
配偶者控除は、1人にたいしてですが、扶養控除は該当となる人数分が適用されます。
どちらも控除額は38万円ですが、該当者が70歳以上(12月31日の時点で)の場合、48万円が控除され、障害者の場合は、73万円(70歳以上の場合83万円)が控除されます。

扶養控除に該当する人物が、16~23歳の場合、63万円の控除になります。

配偶者控除がはずれる額

配偶者控除が適用されるのは、奥さんが収入がほとんどない専業主婦の場合に限られます。
(奥さんのほうが働きに出ていて、夫が主夫をしている場合は、奥さんに対して旦那のほうが配偶者控除の対象になってきます)
ある程度収入がある場合は、配偶者控除は必要ないだろう。という風に見られ、適用されなくなってしまいます。
具体的には、サラリーマンの妻がパートで年間の収入が103万円を超えると、税法上扶養から外れます。
パートでなく、アフィリエイトやオークション、FXといった不労所得と呼ばれるものの収入の場合は、38万円+不労所得にかかった経費の合計を超えた場合

130万円は?

さらにパート収入が、130万円を超えると厚生年金や健康保険の扶養からも外れます。
サラリーマンの奥さんは、旦那が厚生年金に加入している場合、奥さんは年金を支払わなくても年金に加入することができます。
健康保険も同じです。
ところがパートで働きに出た場合で、その年間収入が130万円を超えると、自分で今度は国民年金に加入しなくてはなりません。(もしくはパート先の厚生年金)

103万円の理由

65万円までの収入なら給与所得控除によって所得税がかかりません。
また、基礎控除といって、給与でなくても基本的に39万円までの収入にも所得税がかかりません。
この二つの金額を足すと103万円になりますが、所得税がかからない範囲の収入であれば、配偶者控除の対象になります。
この103万円を超えた場合はどうなるかというと、たとえば、110万円の収入があった場合、

110万円 - 65万円 - 38万円 = 7万円

で、この7万円に対して税金がかかってきます。
所得税率が5%だとしたら、

7万円 × 5% = 3500円の所得税になり、配偶者控除の対象から外れます。

※ 実際には、配偶者控除、扶養控除ともに38万円以下の収入に適用されます。ただ、給与所得(パートも含む)の場合、給与所得控除(経費みたいなものです)によって、65万が控除されます。
FXやアフィリエイトのような収入は、給与所得控除の対象にならないので、代わりに必要経費を引いた額になります。

配偶者特別控除 103万円を超えてもOK

103万円を1円でも超えたら、急に旦那さんの税金が上がるかといったら、そうではなく、実際には徐々に税金が上がっていきます。

上のうち、103万円を超え、141万円までについては「配偶者特別控除」と呼ばれる控除が適用されます。
そのため、103万円を1円でも超えたら、急に税金が高くなるわけではありません。
ただし、130万円以上になってしまうと、自分で年金、健康保険を支払わなくてはなりません。

自営業の妻の場合

さて、自営業の旦那の妻の場合、奥さんは自分で国民年金を支払わなくてはなりません。
で、この支払った国民年金は、控除の対象になります。
国民年金は、年々微増しているんですけれど、だいたい14000円/月ほど。
所得税や住民税、健康保険と違い、どんな収入でも一律同じ額になります。
1年間で支払う国民年金の額は、だいたい17万円ほど。

次に、自営業で働く旦那の奥さんが、年収110万円のパートに出た場合は、どうなるんでしょうか。

110万円(年収) - 65万円(給与所得控除) - 38万円(基礎控除) - 17万円(社会保険料控除) = -10万円

とマイナスになります。
つまり、自営業で生計を立てている旦那さんの奥さんの場合は、120万円までのパート収入まで税金がかからないことになります。
ただ、17万円ほどの国民年金の支払い義務があるので、サラリーマンの奥さんに比べて不利なことは否めません。
なぜ、自営業はサラリーマンに比べて税金が不利なのかというと、おそらく、サラリーマンと違って定年がない。という部分が大きいんじゃないかと思います。

年金・健康保険の支払い義務発生

さて、今度は、サラリーマンの奥さんの社会保険料についてみてみます。
先ほど、130万円を超えるパート収入があると、配偶者控除だけでなく、旦那の社会保険の扶養からも外れると書きました。
この場合、奥さんは年金の第三者被保険者でなくなってしまい、自分で国民年金を納めなくてはなりません。

130万円を超えるパート収入がある場合、旦那さんがサラリーマンであろうが、自営業であろうが、奥さんは自分で国民年金、健康保険を収める必要があります。
国民健康保険の場合、国民年金と違い、収入額によって額が変わってきます。

70歳を越えると

その年の12月31日、奥さんの年齢が70歳を越えていると配偶者控除の額が38万円から48万円に上がります。
これは扶養控除も当てはまって、だんなの両親の年齢が70歳を超えている場合(生計を共にしている)、扶養控除が38万円から48万円になります。

16歳以上23歳未満の子供がいる

さらにさらに、16歳以上23歳未満の学生(学生でなくても、無職、もしくは103万円以下のアルバイター)がいれば、扶養控除は特定扶養控除となり、63万円控除される。

条件

さて、今まで「奥さんが」とか「旦那が」とか「子供が」と表現してきましたが、厳密には、

奥さんが → 生計を一にする配偶者が
旦那が → 納税者が
子供が → 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)もしくは、都道府県知事から養育を委託された児童
両親が → 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)もしくは、都道府県知事から養育を委託された老人

という表現になります。
また、配偶者控除、扶養控除共に「納税者と生計を一にしていること」が条件です。

申告は必要?

サラリーマンの場合、給与所得者の扶養控除等の申告書を毎年、年末に会社に提出します。
書き方はそれほどむずかしく考える必要はありません。
上で書いたように、扶養控除の対象になる家族の年齢によって控除額が違ってくるため、生年月日を記入する必要があります。
また、配偶者は扶養控除ではなく配偶者控除になるため、奥さんの名前は配偶者の項目に書きます。
それ以外にも、障害者は控除額が違ってくるため、別の項目に書きます。
「生計を一にした」というのは、一緒に住んでいなくても該当しますので、納税者と違う場所に住んでいる場合は、その住所を記入します。

個人事業主の場合、扶養控除、配偶者控除共に特に提出しなければならない書類はありません。

また、申告書に控除額や扶養控除・配偶者控除に該当する家族の名前を記入する必要があります。
※ 詳しくは、申告書への記入例

注意点として、たとえば私のように親父が個人事業主で、確定申告をしている場合、お袋が扶養控除の対象になってきますが、親父と私、両方でお袋を扶養控除の対象にすることは出来ません。
この場合、親父の方は「配偶者控除」として。
私の場合は、「扶養控除」として控除の対象になりますが、同じ人物の場合、納税者が控除として対象になるのは一人だけです。
私は親父がお袋を配偶者控除の対象として申告したんですけれど、それを知らなくて私も扶養控除としてお袋を申請してしまったんですけれど、7月頃税務署から指摘されてしまいました。
税務署も細かくチェックしているんですね。

まとめ

ちょっとややこしいですね。
ここでまとめておきます。

参考ページ