国民健康保険の計算の仕方

国民健康保険の計算を実際に私の所得などから計算してみました。すごく複雑と思っていたのですが、意外とそれほど難しくありません。会社を辞めた人や個人事業主の方は、計算してみてはいかがでしょう。

国民健康保険の計算の仕方

最終更新日:2017/02/02 02:03:52 twitter Facebook はてブ LINE

国民健康保険の金額の計算は、今まで複雑そうに思っていて避けていたのですが、意外に簡単に(?)計算することが出来るので、実際に計算してみました。ただ、若干住んでいる市町村等によって、計算に使う数値が違っていたりするのですが、基本的な考えは同じなので、実際に私の所得や健康保険料などを元に、1から計算してみました。

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計算方法

用意するもの

国民健康保険は、前年度の収入によって額が決まります。なので、前の年の収入がわかるものが必要です。
サラリーマンであれば、「源泉徴収票」が。源泉徴収票は12月の給料確定後でないと計算出来ないので、もらえるのは1月とか2月になります。なので、それ以前に計算したい!という人は、給与明細の「住民税」という部分を12ヶ月分、足してください。
年の途中で会社を辞めた。なんて人も「源泉徴収票」が送られてくるはずです(この場合、最後の給料が出れば12月にならなくてももらえる)。

個人事業主や働いていない人、複数のアルバイトを掛け持ちしていた場合は、去年提出した申告書や、5月頃届く住民税の納付書を用意してください。

住民税がわかれば、すぐに計算できます。

計算してみる

まず、国民健康保険は「医療分保険料」と「支援分保険料」、そして、40歳以上55歳未満の人はさらに「介護分保険料」を合計した金額になります。
また世帯主に、家族の人数から求めた額を加算した金額が請求されます。
各計算に使われる値は、市町村や年度によって若干違うので、ここでは東京都中野区の数値を元に計算してみます。

  区分 計算式
医療分保険料 均等割額 家族1人あたり30,600円
所得割額 総所得金額等 X 6.02%
もしくは、住民税 X 60.2%
最高限度 51万円
支援分保険料 均等割額 1人あたり10,200円
所得割額 総所得金額等 X 2.34%
もしくは、住民税 X 23.4%
最高限度 14万円
介護分保険料 均等割額 1人あたり15,000円
所得割額 総所得金額等 X 1.79%
もしくは、住民税 X 17.9%
最高限度 12万円

さて、これだけだとよくわかりませんね。上から順番に説明していきます。
健康保険料は「医療分保険料」「支援分保険料」「介護分保険料」の3つの合計だ、ということは先ほど書きました。
各保険料はさらに「均等割額」と「所得割額」の合計になります。

均等割額?

「均等割額」は、家族1人あたりにかかる最低金額で、家族の人数分を掛けた金額になります。
そのため収入がなくても最低家族一人あたりに、均等割額分だけかかるということですね。
中野区の場合、医療分保険料の均等割額は、3万600円ですが、横浜市は3万3720円と、市町村によってかなり開きがあるようです。

また、「医療分保険料:30,600円」と「支援分保険料:10,200円」と「介護分保険料:15,000円」の3つを足すと、55,800円(1年間)になります。
収入がなくても、最低1年間で5万5800円かかるってことですね。

所得割額とは

続いて「所得割額」に行きます。ここがちょっと健康保険料を複雑に見せている部分ですね。
医療分保険料の所得割額では、総所得金額等6.02%を掛けたもの、となっています。
総所得金額等ってなんじゃ??と思ったら、いわゆる「課税所得」ってことらしい。
つまり個人事業主であれば、「収入金額」から「必要経費」を引いて、住民税の基礎控除(33万円)を引いた額、ということのようです。
サラリーマンやアルバイト、パートのような給与をもらっている人は、年収から給与所得控除を引いた額が、総所得金額等ってことのようです。
また、住民税は総所得金額の10%が住民税となるので、住民税の額からも計算ができるようです。

健康保険は住民税ぐらい払う必要が

「医療分保険料」と「支援分保険料」と「介護分保険料」それぞれの「所得割額」を求めるときの掛ける数値「6.02%」「2.34%」「1.79%」を足すと、10.15%にもなります。
これは住民税(10%)を超える金額になるということ!
健康保険料の金額を計算しなくても、住民税より多い額。と覚えておけば、間違いないでしょう。

では、実際に国民健康保険の料金を計算してみましょう。以下では、住民税から計算する方法と、住民税がわからない場合の計算の2つを紹介します。
また、計算がややこしくなるので、東京都中野区に43歳の私が一人暮らしをしている場合を仮定します。

住民税から求めてみよう

住民税の額健康保険料の額を決める「総所得金額等」を調べるには、住民税を調べれば一発です。もし、サラリーマンのように住民税が天引きされている場合は、給与明細から引かれている額を12倍にしてください。もし、中途採用などで年の途中から勤めだした場合は、会社から「市県民税・特別徴収税額の通知書」をもらえば住民税の額が書かれていると思います。

私のように個人事業主や自分で住民税を支払っている場合は、このような納付書が4月か5月頃届くので、そこに載っています。

住民税は、必要経費や給与所得控除、そして基礎控除が引かれているのと、総所得金額の10%が住民税になるので、「所得割額」は、総所得金額等 X 6.02%ではなく、60.2%を掛けてください。
ようは、住民税の10倍が総所得金額等になるので、住民税を10倍にするか、かける数値(6.02%など)を10倍にするか、どちらかで計算すればOKです。

さて、では実際に計算してみましょう!

医療分保険料

上の例では、住民税の額が「 36,9500円 」(で囲まれた部分)なので、「所得割額」は、

369,500円 X 60.2% = 222,439円

になります。このように住民税から所得割額を求めるときは、掛ける数値(6.02%)を10倍の60.2%にしてください。
で、均等割額の30,600円( X 家族人数)をこの金額に足します。今回は一人暮らしなので、30,600円 X 1人になります。

医療分保険料=222,439円 + 30,600円 = 253,039円

支援分保険料

続いて支援分保険料にいきます。計算方法は「医療分保険料」と全く同じ。ただ、「6.02%」が「2.34%」になっています。
こちらも、住民税から求める場合、2.34%を23.4%に10倍にして計算します。

支援分保険料 = 10,200円 X 1人 + 369,500円 X 23.4% = 96,663円

介護分保険料

40歳を超えている場合、「介護分保険料」が加わります。こちらも計算方法は変わらないですね。

介護分保険料 = 15,000円 X 1人 + 369,500円 X 17.9% = 81,1401円

国民健康保険料

では、この3つを足すと・・・

430,843円!!高っ!!!

実際には私は中野区に住んでいるわけではなく、均等割額や掛ける数値も違うので、もっと高くなっています。
住民税が36万9500円。国民健康保険料が43万843円。なので、少なくとも健康保険料1年間分で、課税所得の10%以上がとられてしまうんですね・・・。

所得税で20%。住民税で10%。健康保険料で1数%。
合計すると、課税所得の40%以上を税金で取られてしまうんですね~・・・。

逆に言うと、経費として計上すれば、購入金額の4割ぐらいは税金が安くなるか、戻ってくることになるわけですね。
うーん。節税は大切だ!

住民税がわからない場合

住民税は6月から引かれるので、それ以前に健康保険料の額を知りたい!なんて場合は、確定申告の申告書やサラリーマンの場合は、源泉徴収票から求めることが出来ます。

源泉徴収票の給与所得控除後の金額サラリーマンやアルバイト、パートの場合は、源泉徴収票を会社からもらうと思いますが、この源泉徴収票に記載されている、「給与所得控除後の金額」という部分になります。
もし、複数の会社に掛け持ちしている場合は、この「給与所得控除後の金額」をたした金額になります。
また、会社やアルバイトを辞めた場合、辞めた会社に頼めば、源泉徴収票を発行してもらえます。

申告書の所得金額の合計また、私のように個人事業主の場合、確定申告で提出する「申告書」の「所得金額」の「合計」の部分の金額のようです。
私の場合は、個人事業主と会社勤めをしているので、給与所得と雑所得の2つの合計ですね。
不動産所得や株の配当などの収入がある場合も、当てはまります。

これらの金額が、総所得金額等ってことになるようです。家族で収入があれば、これらの合計になります。
ここでは計算が複雑になるので、東京中野区で43歳の私が一人暮らしをしていると仮定し、去年の所得金額は354万7600円だったとして、実際に計算してみましょう。

総所得金額

総所得金額は、「所得金額」に基礎控除(33万円)を引いた額になります。

354万7600円 - 33万円 = 321万7600円

  区分 計算式
医療分保険料 均等割額 30,600円 X 1人
= 30,600円
所得割額 321万7600円 X 6.02%
=19万3700円
合計 22万4300円
支援分保険料 均等割額 10,200円 X 1人
= 10,200円
所得割額 321万7600円 X 2.34%
= 7万5292円
合計 8万5492円
介護分保険料 均等割額 15,000円 X 1人
= 15,000円
所得割額 321万7600円 X 1.79%
= 5万7595円
最高限度 7万2595円
合計 38万2386円

38万2386円。高っ!!(笑)

上限

さて、年収1000万以上の人のような高収入の人は、健康保険料が100万年を超えるのでしょうか?
実はちゃんと上限が決まっていて、中野区では「医療分保険料」は最高限度が51万円。
「支援分保険料」は最高14万円。
「介護分保険料」は最高12万円。合計すると、77万円。つまり、最高で77万円になります。(もちろん住んでいる市町村によって前後します)
私の友達で、個人事業主で1,000万円の収入がある人が居たのですが、健康保険の1階に支払う金額が、7万円なんだ。と言っていましたが、これは、その友人が健康保険を10回に分けて請求される地域に住み(支払い回数は住んでいる市町村によって違います)、保険料が上限に達していたってことですね。

支払い回数

さて、今も少し書きましたが、国民健康保険料の支払い回数は、市町村によって違うようです。
私の住んでいる場所は、年10回。
私のような個人事業主は、5月頃、支払い用の用紙が送られてくるので、1回1回払ってもいいし、まとめて一気に払ってしまっても構いません。
ちなみに私の住んでいるところでは、ペイジーに対応しているので、支払いは意外と簡単。ただ、ペイジーで払うと、たまに過去に払ってしまった保険料を再びペイジーで振り込んでも、エラーにならない時があり、何度か過払いしたことがあります。(後で通知が来て、次回の支払い分に回すか、戻ってくるか、どちらかになりますが

住んでいる場所によって大違い!

先ほど、住民税から健康保険料を求める計算では、東京都中野区の計算式を使用して計算をして、430,843円という結果が出ましたが、私の住んでいるところの数字で計算すると、53万円ぐらいになりました。
実は、東京は国民健康保険がすごく安く、神奈川はすごく高いみたいです。神奈川以外にも、兵庫などもすごく高いようです。
以下は、中野区、横浜市、宝塚市、福山市で健康保険がどれくらいになるか表にまとめてみました。

※スマホは横にスクロールできます

  医療分 支援分 介護分
東京都
中野区
均等割 30,600円 10,800円 15,000円
所得割 6.02% 2.34% 1.79%
平等割 な し
神奈川県
横浜市
均等割 33,720円 10,670円 13,800円
所得割 7.76% 2.57% 2.87%
平等割 な し
兵庫県
宝塚市
均等割 18,500円 8,600円 9,600円
所得割 5.70% 2.00% 2.30%
平等割 22,800円円 7,000円 5,200円
広島県
福山市
均等割 30,186円 9,505円 11,510円
所得割 8.96% 2.02% 2.43%
平等割 19,920円 3,960円 3,840円

実際に40歳を超えた夫婦ふたり、子供なし。奥さんが専業主婦で収入が0の場合でどれくらいになるか、というと・・・

  医療分 支援分 介護分
東京都
中野区
均等割 61,200円 21,600円 30,000円
所得割 180,600円 70,200円 53,700円
平等割 な し
神奈川県
横浜市
均等割 67,440円 21,340円 27,600円
所得割 232,800円 77,100円 86,100円
平等割 な し
兵庫県
宝塚市
均等割 37,000円 17,200円 19,200円
所得割 171,000円 60,000円 69,000円
平等割 22,800円 7,000円 5,200円
広島県
福山市
均等割 60,372円 19,010円 23,020円
所得割 268,800円 60,600円 72,900円
平等割 19,920円 3,960円 3,840円

このように「医療分保険料」「支援分保険料」で差がついてしまいました。

東京都
中野区
35万6100円 神奈川県
横浜市
44万4940円
兵庫県
宝塚市
37万1400円 広島県
福山市
47万2050円

平等割

その理由のひとつが、場所によっては「均等割」「所得割」の他に「平等割」が含まれているからのようです。私の住んでいる街では、この「平等割」というのが、「医療分保険料」と「支援分保険料」、そして「介護分保険料」の3つで加算されるので、すご~く高くなる!
うーん。10万円も差があるとは・・・。

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投稿日:2014/01/27 18:50:07
更新日:2017/02/02 02:03:52

 

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