株の税金と確定申告
株で確定申告をする必要があるのは、
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- 確定申告をしなければならない人
- 「一般口座」か、「特定口座」で「源泉徴収なし」の口座で利益がでた人
- 確定申告をすると税金が戻ってくる人
- 株でマイナス(損失)が出た人
- 複数の証券会社のうち、マイナスの口座がある
になります。殆どの人が口座を「特定口座 源泉徴収あり」で契約していると思うのですが、源泉徴収ありを選択していると、サラリーマンと同じで利益が発生した時点で税金が引かれるので、基本的には利益が発生しても、確定申告の必要がありません。
そのため、「源泉徴収なし」を選択した人で、利益が発生した人は自分で確定申告する必要があります。
また、「源泉徴収あり」を選択していても、複数の証券会社口座を持っていてどれかがマイナス(損失)がでた場合や、1つの口座でもマイナスがでた場合、損失を繰越するために確定申告する必要があります。
この場合は確定申告しなくても構わないのですが、確定申告をすることによって税金が戻ってくる可能性があります。
なお、特定口座については、一般口座と特定口座 どちらを選べばいい?を参考にしてください。
損失があった場合確定申告でどれくらい返ってくる?
私の場合は、2011年、2012年、2013年の株の損益は、
譲渡所得 | 配当所得 | 源泉徴収税額 | 繰越損失 | |
---|---|---|---|---|
平成23年度分 | △74,439円 | 0円 | 0円 | 74,439円 |
平成24年度分 | 19,725円 | 14,190円 | 0円 | 40,524円 |
平成25年分 | 427,396円 | 38,000円 | 29,680円 | 0円 |
という感じでした。
1年目の平成23年で、マイナス74,439円だったので、当然税金は0円です。
特定口座で源泉徴収だと、利益が出た時点で所得税と住民税が引かれて口座に反映されるのですが、12月31日の時点で、その年の利益がマイナスだと、とられたぶんは戻ってきます。
表の右側の「繰越損失」は、確定申告で株でマイナスでした。と申告しておくと、その後3年間にわたって、利益をその損失分で相殺させることができます。
平成24年度では、譲渡所得で19,725円。配当所得で14,190円の利益があったのですが、平成23年度の損失と相殺させて、源泉徴収税額は0円。つまり、戻ってきました。
繰越損失は3年間繰り越すことができるので、
74,439円 - (19,725円 + 14,190円) = 40,524円
を平成25年分に繰り越すことができます。
平成25年度は、譲渡所得で427,396円。配当所得で38,000円ありましたが、繰り越された40,525円を引いて、424,872円の利益とすることが出来ました。
これで、繰越損失は0円になったので、平成26年度からは普通の計算になります。
基本的に「特定口座」で「源泉徴収あり」を選択していれば、私の平成23年の時、そして、繰越損失の恩恵をうけるとき(今回で言えば平成24年度、平成25年度)でなければ、確定申告を申告する必要はありません。
なお、損失を出した時の確定申告の仕方は、株で損をした場合の確定申告を参考にしてください。
今回は、株で利益が出て確定申告する人、および、私の平成24年度、平成25年度のように、繰越損失の適用を受ける人が、確定申告をする場合の例を紹介したいと思います。
また、特定口座で「源泉徴収なし」を選択している人も参考にしてください。
株の確定申告
年末から年明けにかけて、本屋には確定申告の書き方が載っている本がたくさん並ぶと思いますが、株は複数のパターンによって確定申告の書き方が違ってきます。
たいていの確定申告の本には、1~2パターンしか載っていませんが、株・FX・投資信託 一番トクする 確定申告は、株やFXに特化した確定申告の書き方なので、参考にするならこの本が一番です。
ただ、株やFXの税金は、その年によって変更になる可能性があるので、その年のものを購入したほうがいいでしょう。(平成24年度の申告の場合は、平成25年という表記になっています)
楽天証券の例
今回は、楽天証券を例にした確定申告用の提出用紙の記入の仕方を紹介したいと思います。
他の証券会社でもほぼ同じ手順となるので参考にしてください。
ログインしたら、画面の左上の①「口座情報」にマウスカーソルを持って行くと、このようにメニューが表示されるので、②「電子書面」をクリックします。
以前は書面が封筒で送られていたのですが、最近ではエコも兼ねてこうしてインターネット上から見れるようになっています(封筒で届かないので注意)。
「特定口座年間取引報告書」にある「2010年分以降」の「電子交付した年間取引報告書が閲覧出来ます」と書かれている右横の「閲覧」をクリックします。
「取引残高報告書・年間支払通知書・年間取引報告書 閲覧」をクリックします。
「報告書の種類」を「年間取引報告書」にし、「閲覧状況」を「未閲覧分・閲覧分をすべて表示」にチェック。
「参照期間」を「1年前からの取引」にして「参照」ボタンをクリックします。
■色で囲んだPDFのアイコンをクリックします。
1年間分の収入金額や配当金などが表示されました。
これを印刷するか、表示させたままにしておきます。
確定申告書等作成コーナー
続いて国税庁の確定申告書等作成コーナーのページを開き、「確定申告書等作成コーナー」のリンクをクリックします。
「申告書・決算書・収支内訳書等作成開始」をクリック。
(■色で囲まれたボタン)
確定申告は、インターネット上で提出できるe-Taxというシステムが有るのですが、準備にいろいろかかるので、初めての人は「書面提出」で構わないと思います。
今後も株を続けていく。という人や、個人事業主の方は、「e-Tax」にチャレンジするのもいいかもしれません。
なお、当サイトではe-Taxの使い方も詳しく解説しているので、参考にしてください。
確定申告書等作成コーナーは、JavaScriptやクッキーを利用して作成されるので、そうした機能がパソコンで使用できるかチェックします。
基本的にはよほど古いパソコンでなければ、「このパソコンの環境における、下記のチェック項目については、全て確認済みです」のチェックをチェックしてOKです。
ページを下にスクロールして、「入力終了(次へ)」をクリックします。
株やFXなどの確定申告をする場合は、「左記に該当しない方」にある「この申告書を選ぶ」をクリックします。
「e-Tax」を選択した場合は、「e-Taxにより税務署に提出する」にチェックを。
「書面提出」を選択した場合は、「確定申告書等を印刷して税務署に提出する」にチェックを入れ、生年月日を入力します。
もし、個人事業主などで青色申告で申告する場合は、「申告の種類」の「はい」にチェックを入れます。
画面下の「入力終了(次へ)」をクリックします。
申告書の入力画面になります。
もし、給料や事業所得、雑所得等の他の収入がある場合、ここで入力します。
今回は他の収入は省略します。
(サラリーマンやパート、アルバイトの方が株の確定申告をする場合は、源泉徴収票による給与所得の入力をしてください。
他の所得の入力に関しては、インターネットで確定申告の入力 申告書版を参考にしてください。)
株の譲渡所得の入力は、「株式等の譲渡所得等」の「入力する」をクリックします。
「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」を作成するの方にチェックを入れます。
さて、もし、私の平成24年度の申告のように、前年度(もしくは3年間までさかのぼって)損失があり、繰越損失が残っている場合は、「前年度から繰り越された~」の部分に「はい」を選択してください。
去年も「確定申告書等作成コーナー」で作成し、データを保存してある場合は、保存データを読み込むことによって、繰越損失も自動的に入力されるので、是非活用してください。
「特定口座」で「源泉徴収あり」を選択している人は、「特定口座(源泉徴収口座)のうち申告する株式等の譲渡等がある」をチェックします。
「源泉徴収なし」の人は「特定口座(簡易申告口座)の取引がある」の方にチェックを入れます。
下にスクロールしていき、「入力終了(次へ)」をクリックします。
入力していく
さて、では実際に左記ほど表示させた証券会社の年間損益報告書をもとに、入力していきましょう。
勘定の種類と源泉徴収の選択
勘定の種類
さきほど楽天証券で表示させた電子書類の右上にある「勘定の種類」を確認してください。
「保管」「信用」「配当」の3つのどれかに丸が書かれています。
「確定申告書等作成コーナー」の方にも該当する部分にチェックを入れます。
収入金額・源泉徴収額を入力
再び電子書面の方の「譲渡の対価の額(収入金額)」や「所得日および譲渡に要した費用の額等」「差引金額(譲渡所得等の金額)」の数値をチェックします。
上の画像を大きくしたものが↓下の表になります。
(譲渡に係る年間取引損益 及び源泉徴収税額等) |
源泉徴収税額 (所得税) |
1,379円 | 株式等譲渡所得割額 (住民税) |
591円 |
---|
譲渡区分 | ①譲渡の対価の額 (収入金額) |
②所得費および譲渡に 要した費用の額等 |
③差引金額 (譲渡所得) |
---|---|---|---|
上場分 | 310,890円 | 291,165円 | 19,725円 |
特定信用分 | 0円 | 0円 | 0円 |
合計 | 310,890円 | 291,165円 | 19,725円 |
確定申告書等作成コーナーの入力欄に、今確認した金額を入力します。
同じようにして源泉徴収額も入力します。
配当等の額及び源泉徴収額等の入力
もしも配当所得がある場合は、その下も入力していきます。
株を所有していると、1年に2回ほど金利のような「配当金」がもらえます。(配当がでない企業も有ります)
当然こちらにも税金がかかります。
続いてこの配当金の入力に移ります。(もし、1年間配当金がなければ飛ばしても構いません)
「この口座の配当等を申告する」にチェックを入れます。
さきほど表示させた電子書面の配当金の部分をチェックします。
拡大したのが、以下の表です。
種類 | 配当等の額 | 源泉徴収額 (所得税) |
配当割額 (住民税) |
---|---|---|---|
(4)株式、出資または基金 | 14,190円 | 993円 | 425円 |
(5) 投資信託又は 特定受益証券発行信託 |
0円 | 0円 | 0円 |
(6) オープン型証券投資信託 | 0円 | 0円 | 0円 |
(7) 国外株式、国外投資信託等 | 0円 | 0円 | 0円 |
(8)合計(配当所得の金額) (4)+(5)+(6)+(7) |
14,190円 | 993円 | 425円 |
(9) 譲渡損失の金額 | 0円 | ||
(10) 差引金額 ((8) - (9)) | 14,190円 | ||
(11) 納付税額 | 993円 | 425円 | |
(12) 還付税額 ((8) - (11)) | 0円 | 0円 |
該当する種類(たいていは「株式・出資又は基金)」です)の配当金等の額に金額を入力します。
源泉徴収額が引かれている場合は、源泉徴収税額の所得税と住民税を入力します。
証券会社の名前、住所の入力
損益報告書の下の方に、口座を開いている証券会社のが書いてあるので、証券会社の名前を確認しておきます。
確定申告書等作成コーナーの入力欄に入力します。
なお、証券会社で株の取引を行っている場合は、「本支店名等」の方は空白のままで大丈夫です。
もし、複数の証券会社がある場合は、「もう一件入力する」をクリックして、同じように入力していきます。
下にスクロールすると、入力した金額などが表示されているので、すべての証券会社の入力が終わったら、「入力終了(次へ)」をクリックします。
配当所得の課税方法選択
続いて課税方法を選択します。
株の繰越損失の繰越控除を受けるには、「申告分離課税を選択する」をチェックしてください。
3年以内に損失があった場合
私のように3年以内に損失があった場合、「前年度の確定申告で提出」した、「確定申告書付表」の「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越用」を用意し、(3)本年分の損益通算後の上場株式等に係る譲渡損失の金額又は分離課税配当所得金額の⑤の部分の金額を確認しておきます。
※前年度に「確定申告書等作成コーナー」で確定申告書を作成し、データを保存してある場合は、自動的に記憶されています。
「株式等の譲渡所得等(前年から繰り越された損失額)」の1及び、2、3の年度に該当する金額を、先ほどの「確定申告書付表」の⑤に記載されていた金額を入力します。
※ 去年のデータを保存しておいて、そのまま使っている場合は記入されていると思います
「入力終了(次へ)」をクリックします。
今まで入力した金額が表示されます。
譲渡所得が19,725円でしたが、繰越損失から19,725円を引いて、(13)繰越控除後の所得金額は、0円になりました。
今年のぶんの譲渡所得の計算などが表示されます。
続いて、下にスクロールすると
もし、まだ損失額が残っている場合、翌年に繰り越すための計算などが表示されます。
下にスクロールしていき・・・
株の「分離申告税の所得」の入力が完成しました。
長かったですが、実際には年間損益報告書を見ながら、そのとおりに入力していくだけなので、初めての人でもすぐに出来ると思います。
まぁ、私も初めてだったんですけれど。(笑)
入力したデータの保存と印刷
データの保存
入力していったデータは、必ず区切りがいいページで保存してください。
各入力欄が完了すると、ページの下に「入力データを保存する」というボタンがあります。
ここをクリックすると・・・
このようにデータ保存用のページヘ移動します。
ここで「データ保存」をクリックします。
印刷する
提出書類を印刷します。
株の譲渡所得の配当所得、譲渡損失の控除などの確定申告は、■色で囲まれた部分の用紙が該当します。
株の譲渡所得やFX、先物取引の確定申告は、「申告分離課税」といって、他の収入とは別々に計算されるため、このように「分離申告税用」という用紙になります。
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投稿日:2013/01/14 17:19:03
更新日:2019/01/30 14:16:45
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