所得控除を計算する その2
2007/02/18 05:27
前回、所得控除の一部について解説しましたが、まだまだ色々あります。
今回はその続きを。
所得控除とは
所得控除とは、前回も説明しましたが、「所得から差し引かれる金額」のことです。
小規模企業共済等掛金控除とは
小規模企業共済等掛金控除とは、
次の掛け金を支払った場合の控除
・小規模企業共済法に規定された共済契約掛金
・確定拠出(きょしつ)年金法の個人型年金の加入者掛金
・条例の規定により地方公共団体が実施する心身障害者扶養共済制度にかかる契約で一定の要件を備えたもの
の事です。
なんだかよくわからないですね。(笑)
個人事業主は、サラリーマンと違って退職金というものが存在しないので、「小規模企業共済」という退職金制度を利用することが出来ます。
で、このために支払った金額は、原則的に全額所得控除の対象になります。
この小規模企業共済は、月々の掛金が1,000~70,000円と選べるので、是非利用したいですよね。
ただし、誰でも加入できるというのではなく、
払うときも貰うときも、有利! 小規模企業共済を使った節税対策
(1) 製造業、建設業、運輸業、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主又は会社の役員
(2) 商業(卸売業・小売業)又はサービス業を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主又は会社の役員
(3) 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員 などとなっています。
という条件があります。
詳しくは、別項で説明したいと思うので、ここでは詳しく取り上げません。
支払い掛け金の合計が控除されます。
また証明書の添付・提出がもとめられています。
寡婦・寡夫(かふ)控除とは
寡婦・寡夫控除とは、
あなたが寡婦か寡夫である場合の控除
寡婦も寡夫も「かふ」と読みます。奥さん、もしくは旦那と死別した人のことを言います。
この場合、寡婦か寡夫かで控除額が決まってきます。
寡婦
1. 夫と死別・離婚した後再婚していない方又は夫が生死不明などの方で、扶養親族やその年の総所得金額等が38万円以下の生計を一にする子のある方。 | 27万円 |
2. 1に該当する方で、扶養親族である子があり、かつ、その年の合計所得金額が500万円以下の方。 | 35万円 |
3. 夫と死別した後再婚していない方又は夫が生死不明などの方で、その年の合計所得金額が500万円以下の方。 | 27万円 |
寡夫
1. 妻と死別・離婚した後再婚していない方又は妻が生死不明などの方で、その年の合計所得金額が500万円以下であり、かつ、総所得金額等が38万円以下の生計を一にする子のある方。 | 27万円 |
申告所にチェックを入れる必要があります。
詳しくは、所得税の確定申告の手引きに載っています。
勤労学生控除とは
勤労学生控除とは、
あなたが勤労学生である場合の控除
※その年の合計所得金額が65万円より多い方や勤労によらない所得が10万円より多い方は、この控除を受けることはできません。
になります。
控除額は、「27万円」になります。
学校から交付される証明書の添付・提示が求められます。
障害者控除とは
障害者控除とは、
あなたや、配偶者その他の親族(配偶者控除や扶養控除を受ける方に限る)が、障害者や特別障害者である場合の控除
です。
区分 | 控除額 |
障害者 | 27万円 |
特別障害者 | 40万円 |
書き方等については、所得税の確定申告の手引きに載っています。
配偶者控除とは
配偶者控除とは、
あなたに控除対象配偶者がいる場合の控除
です。
控除対象配偶者とは、
控除対象配偶者
次のいずれにも該当する方
1. その年の12月31曰(年の中途で死亡した場合には、その死亡の日)の現況において、あなたと生計を一にしている
2. その年の合計所得金額が38万円以下である
3. 青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けていない又は白色申告者の事業専従者でない
※収入がパート収入(一般的には、給与所得となる)のみの配偶者の場合は、その収入金額から計算した給与所得の金額
が、配偶者の合計所得金額になります。
※収入が公的年金等のみの配偶者の場合は、その収入金額から計算した雑所得の金額が、配偶者の合計所得金額になります。
注意しなければならないのは、12月31日に生計を一にしているということ。
簡単にいうと、12月31日の時点で、事業を手伝っていない(事業専従者として)無収入(38万以下)の奥さん、もしくは旦那さんがいる場合ですね。
この条件に当てはめれば、以下のような控除額になります。
区分 | 同居特別障害者 | 左記以外の方 |
一般の控除対象配偶者 | 73万円 | 38万円 |
老人控除対象配偶者 | 83万円 | 48万円 |
配偶者特別控除とは
配偶者特別控除とは、上記の配偶者控除には当てはまらない人です。
具体的に言えば、配偶者が38万円を超える合計所得があり、76万円未満の収入の人です。
控除額は、その配偶者の合計所得金額によって違ってきます。
具体的な控除額は、所得税の確定申告の手引きか、タックスアンサー 配偶者特別控除に載っています。
扶養控除とは
扶養控除とは、扶養親族がいる場合に適用される控除です。
簡単にいってしまえば、配偶者控除の配偶者以外版です。
条件としてはほとんど配偶者控除と同じです。
生計を一にしている配偶者以外の親族ですね。
- 特定扶養親族は、扶養親族のうち、年齢が16歳以上23歳未満の方を言います。
- 老人扶養親族は、扶養親族のうち、年齢が70歳以上の方を言います。
- 同居老親等とは、老人扶養のうち、あなたや配偶者の直系尊属で、あなたや配偶者との同居を常としている方です。
区分 | 同居特別障害者 | 左記以外の方 |
一般の扶養親族 | 73万円 | 38万円 |
特定扶養親族 | 98万円 | 63万円 |
老人扶養親族(同居老親等) | 93万円 | 58万円 |
老人扶養親族(同居老親等以外) | 83万円 | 48万円 |
老人扶養親族に関しては、「扶養控除 親を扶養している場合」にまとめました。
基礎控除とは
基礎控除とは、全ての方に適用される控除で、無条件に38万円が控除されます。
と、これで全ての控除について書き終わりました。
ふぅ・・・つ・・・疲れた・・・。
次回は実際に私の例を使って申告書に書き入れてみたいと思います。
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2007/02/18 05:27 | このページのトップへ | コメントを書く | 管理