青色申告では何をどこに提出するの?

まず青色申告をすると決めたとしても、いったい何をどこに提出すればいいんでしょう?帳簿は?領収書は?専用の用紙が必要なの?

会計ソフト de 確定申告
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青色申告では何をどこに提出するの?

2008/10/21 20:03

青色申告も、白色申告も、基本的には進め方は変わりません。
ただ、青色申告は白色申告に比べて帳簿や提出する書類に記述する項目が多いため、その代わり税金を安くしたり、優遇措置みたいなもんをあげますよ。っていう違いがあります。

さて、そもそも青色申告って、何をどこに提出するんでしょうね?
近くの市役所?税務署?
税務署って市役所の中にあるの??

多くのサイトが簡単に確定申告のことについて説明していますが、実際にはこんな単純なことが初心者に立ちふさがっていて、それに答えてくれたサイトはありませんでした。
なので、私を含め多くの確定申告初心者が手探りで進めていくしかありませんでした。
当サイトを作るきっかけも、そうしたもうなんの知識もない人を対象にした基礎の基礎を記録していくサイトを作ろうと。

青色申告の提出書類

私はC言語といったコンピューターのプログラム言語を、やはり独学で学びました。
そして数多くの友人知人達に、プログラムを教えてきたりしたのですが、いつも自分がまだ初心者だった頃は何について悩んでいただろう?ということを思い出すようにしています。
すると、多くのプログラム初心者とが「いったいプログラムが出来るようになると、どんなことが出来るのだろう」というおおよそプログラムの習得には関係ない、ゴール地点のイメージを描くことが出来ずに挫折してしまうことに気がつきました。

確定申告もそうです。
私が確定申告をしようと思い立った時は、ものすんごい量の用紙に、よくわからないけれどいろんな数値とかを記入したりして、あと、大学ノートに収入金額とかを記入して、領収書もきれいにまとめて税務署に提出するんだろう。というイメージでした。

結局あっていたのは、「税務署に提出する」というとこだけ。

税務署に提出

そう、答えを最初に言ってしまうと、確定申告の申告書を提出するのは税務署です。
近くの?
いや、住んでいる場所の税務署です。
たとえば、私が大田区に住んでいるけれど、世田谷区の税務署の方が近いから世田谷区の税務署に・・・ってワケではなく、大田区の税務署になります。
この辺は区役所とか市役所と同じ感覚。
住民税の支払いに、大田区に住んでいるのに世田谷区役所の方が近いから。なんて理由で世田谷の区役所には行かないですよね。
それと同じです。

提出書類

提出する用紙は、申告書と呼ばれるど派手な(?)用紙と、決算書と呼ばれる地味~な(?)用紙です。
各用紙に何をどのように記入するかを説明していくと、とても1ページでは説明できません。
なのでここではだいたいのイメージを説明していきます。
記入の仕方については、他のページで説明します。

で、大事なのは決算書の方です。
申告書は、決算書の数値を元に記入します。
この辺はおいおい詳しく説明していきます。
もしくは白色申告 収支内訳書記載例を参考にしてください。

申告書B

申告書B左の用紙が「申告書B」と呼ばれる用紙で、税務署に行くともらえます。
また、一度確定申告をすると、翌年から送られてきます。
やよいの青色申告という会計ソフトを使うと、この用紙を印刷することも出来ます。
ただし、その年の申告書Bを印刷するためには、毎年バージョンアップをしないといけないようです。

あ、ここで一つ注意を。
確定申告を補助してくれるソフトを会計ソフトといいます。
確定申告ソフトと呼ぶ人もいますが、メインは記帳作業になるので会計ソフトと呼ぶ方が正解でしょう。
会計ソフトは、パソコンで記帳する(売上げ等を入力して保存する)ためのソフトなんですけれど、最終的に確定申告に提出する書類の作成まで行ってくれます。

話を戻して・・・
なんか見るからに記入するとこが多くて、頭が痛くなりそうですが、実際には決算書に記入した数値を記入したり、決められた数値を記入するだけ(たとえば、その年に支払った国民健康保険の額とか)なので、実際には慣れていれば1時間もあれば記入し終わってしまいますし、慣れてなくても決算書や必要な書類を持って税務署に行けば、教えてもらいながらその場で出来てしまうでしょう。

ま、実際にはそんな悩まなくてもいい。と覚えておいてください。
私の場合、初めての確定申告では、青色申告会で説明を受けながら書きました。
この申告書Bの用紙は、所得税の確定申告の手引きというすご~く(?)わかりやすい手引き書がついてきます。
青色申告会で、記入すべき数値を計算してもらって(翌年からは自分で計算出来るでしょう)それを元に作成したのを覚えています。

決算書1枚目

白色申告では、決算書とはいわずに収支内訳書と呼びます。
収支内訳書は2枚でしたが、青色申告の決算書の場合は4枚です。
ただし、実際に記入するのは、たいてい3枚のみでしょう。
申告書Bに比べ地味ですが、記入自体はやはりやさしいです。
ただ、そこに記入する数値を求めるのがややこしいのです。

所得税青色申告決算書1枚目
上の画像が、決算書1枚目の例です。
白色申告の収支内訳書とほとんど変わらないことがわかるでしょう。
クリックしてもらうと拡大されるので、クリックしてみてください。
問題は、左上にある「その年の売り上げ売上(収入)金額)」という部分の数値と、その下の「事業にかかったお金経費)」です。
残りの部分は、この二つの数値から計算していくだけです。

で、何がややっこしいかというと、「収入金額」と「経費」は、白色申告でも同じように計算します。
なので、全くっていうほど違いはありません。
が、青色申告、それも複式簿記で記帳する場合、その記帳がめんどくさいのです。
たとえば収入があった場合、どこからいつ売上げがあったか・・・等々の「いつ」と「どこから」、そして「いくらか」をきちんと記録しないといけないのです(白色の場合、金額だけ出よかったりする)。
で、それらの中で収入に関する金額をすべて足したのが、先ほどの「収入金額」になります。
で、逆に支払ったお金をすべて足した金額が、「経費」になります。が、経費の場合はそれぞれ濃くも区が別れていて、「通信費」とか「水道光熱費」とか適正な項目ごとに金額をまとめなくてはいけません。
実際には慣れてしまえば、あっという間に出来るんですけれど、ひどくめんどくさいように感じますよね。
んでもって、これらの記入を知識があまりなくても簡単にできてしまうのが会計ソフトで、やよいの青色申告なんかがその代表的なソフトになります。
実際には、青色申告の場合、私もこのソフトを使わないと記帳できません。(笑)
逆に言うと、会計ソフトを使えば、私のようなずぶの素人でも簡単に記帳できてしまうと。

決算書2枚目

所得税青色申告決算書2枚目
これが決算書の2枚目で、1枚目の裏側になります。
実際には、この2枚目の方を記述していかないと、1枚目の収入金額の数値が求められません。
この2枚目には、各月の収入金額と、その合計の金額を記入します。
そしてこの合計の金額を、1枚目の「収入金額」に記入します。
それ以外にも、社員を雇っていたり、身内を雇っている場合なんかに支払った給与の額等を記入します。
それと、青色申告では10万円か65万円の控除(税金を安くするための仕組み)があるんですけれど、その額を記入します。
これについても他のページで詳しく説明しています。

決算書3枚目

所得税青色申告決算書3枚目
10万円を超える事業で使う品物を購入した場合は、減価償却というやはり税金を安くするための仕組みがあるので、それについての計算値を記入します。
私は特に高額な品物は必要ないので、無記入でした。
仕事で車が必要。なんて場合はここに記入します。
あと、事業用に借金なんかをしていたり、事業で借りている部屋で家賃を払っている場合もここに記入します。

貸借対照表

所得税青色申告決算書4枚目
3枚目の裏が貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)っていう舌を噛みそうな名前の用紙です。
これはちょっとややこしいんですけれど、その年の開始年度の資産と終わりの資産を記入します。
私もこれについては、会計ソフトを使わないと書けません。w
逆に、会計ソフトを使えば知らない間に(というか勝手に)作成されます。

ざっと急ぎ足で説明してきましたけれど、申告書Bも決算書も裏表に記入するので、結局、この3枚を提出するだけなんです。
そう、たった3枚。

やよいの青色申告で印刷するには

やよいの青色申告では、「決算・申告」で印刷することが出来る
やよいの青色申告で、以上の提出する用紙を印刷することが出来ます。
なお、提出する用紙は、税務署からもらった専用の用紙の他、会計ソフトでプリントアウトした用紙でもOKです。
また会計ソフトを使って、税務署からもらった専用用紙に印刷することも可能です。
やよいの青色申告のクイックナビゲーターの「決算・申告」をクリック。
決算書作成」をクリックすると決算書が印刷できます。
今まで入力してきたデータを元に、勝手にソフトの方で決算書を作成してくれます。
また、申告書Bの方も印刷することが出来ますが、こちらを印刷するには毎年会計ソフトをバージョンアップしないといけないようです。
申告書Bは、決算書の数値を元に記入していくだけなので、手書きでもかまいません(実際、私も実は手書きで書きました)。

会計ソフトで入力したデータや領収書は?

これらのデータは計算するのに必要ですが、提出する必要はありません。
いったい日本でどのくらいの個人事業主、企業があるというのでしょう?
この3枚以外のデータを提出しても、とても現在の税務署の署員の数では手をつけることが出来ないでしょう。
なので、記帳データや領収書は提出する必要がありません。
じゃぁ、適当でいいの?
いや、それが違うんです。
結構な確率で税務調査という税務署の職員が色々調べに来ます。
そのときにちゃんとした数値を元に記入しましたよ。という証拠が必要です。
そのため記帳したデータや領収書もきちんと保管しておく必要があります。

 

たくやぽん 】 2010/12/13 09:50

初心者の視点からこんなにわかりやすく、親切に教えてくれるウェブサイトがあるなんて!<br>製作者の方にとても感謝しています。自分も確定申告って最初なにから手をつければいいんだ?とか思いながら、とにかく焦って税務署に質問をしに行ったり、知り合いに質問をしたりというかんじでした。でもこのサイトのおかげで会計ソフトというものが便利であることを知りました。さっそく体験してみようと思います!