ふるさと納税の控除の計算

ふるさと納税をする場合、確定申告をすることによって、一部税金が返ってきます。このことを控除といいますが、控除の計算やお得かどうか。損する?かを計算してみました。

ふるさと納税の控除の計算

最終更新日:2017/02/01 11:18:32 twitter Facebook はてブ LINE

ふるさと納税の控除額の計算方法と、お得かどうかを調べてみました。 
ふるさと納税は、開始当初(2008年)から2010年までは、3万人ほどしか利用者がいませんでしたが、2011年の震災の影響か、一気に23倍の74万人ほどにまで膨れ上がりました。
「税」という名前がついていますが、「寄付」と表現したほうが正確です。
そのため、寄付控除を受けることが出来、寄付した先(地方自治体)によっては、金額に応じて特産物をもらえるので、かしこく利用すれば、収めた金額以上の特産物を手にすることができます。

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※税というよりは、寄付なので、「得」とか「損」という表現は好きではないのですが、表現上そのほうが理解しやすいので、このページではそういった表現にしています。
なお、寄附金控除とはも参考にしてください。

損にならない金額

ふるさと納税の控除には、以下の決まりがあります。その年によってころころ変わりますが、2014年では、

2,000円~住民税の一割の範囲で寄付することで、負担額を2,000円におさめることができます。

ただし、確定申告をしないと税金が安くならないので、控除を受けるには確定申告する必要があります。
確定申告については、源泉徴収票の入力 確定申告書等作成コーナーを参考にしてください。

ふるさと納税損得シミュレーション

総務省のサイトに、2,000円を除く全額が控除できる寄付金額の一覧(目安) (平成26年度版)があったので、抜粋してみました。 
以下は、給与所得の場合の家族構成と、給与収入による、ふるさと納税でいくらまで寄付すればそんをしないか、の最大額(円)です。 (つまり2,000円の負担でおさめることが出来るのか、になります)

たとえば年収300万円の独身者の場合、1万6000円を超えるふるさと納税の寄付は、超えた額だけ損(控除適用外)をすることになります。

※ スマートフォンでは横にスクロールすることが出来ます


給与収入 
(円)
寄付金額の家族構成
独身 
又は 
共働き
夫婦 
又は 
共働き 
子一人 
(高校生)
共働き 
子一人 
(大学生)
夫婦 
子一人 
(高校生)
共働き 
子二人 
(大学生と 
高校生)
夫婦 
子二人
(大学生と 
高校生)
300万 16000 12000 10000 8000 6000 3000
350万 20000 16000 14000 12000 9000 5000
400万 24000 20000 18000 16000 13000 9000
450万 30000 24000 22000 20000 18000 13000
500万 34000 30000 27000 24000 22000 17000
550万 38000 34000 33000 30000 27000 22000
600万 43000 39000 37000 35000 33000 27000
650万 54000 43000 42000 39000 37000 33000
700万 59000 55000 53000 44000 42000 38000
750万 65000 60000 59000 56000 54000 43000
800万 71000 66000 64000 61000 60000 55000
850万 76000 72000 70000 67000 65000 61000
900万 82000 77000 76000 73000 71000 66000
950万 88000 84000 82000 79000 77000 72000
1000万 94000 90000 88000 85000 83000 79000

「独身又は、共働き」は、「独身」か、夫婦共に働いていて、子供がいないか、いても16歳未満の場合、扶養控除の対象にならないため、「独身又は、共働き」になります。また、23歳以上の無職の子供がいる場合も、「独身又は、共働き」に該当します。

「夫婦又は、共働きの高校生の子供一人」というのは、 
・夫婦で片方が専業主婦(専業主夫も含む) 
・共働きで16歳以上19歳未満の子供が一人 
ということになります。「専業主婦(配偶者控除)」と「16~19歳の子供(扶養控除)」は、同額(38万円)の控除なので、「子供がいなく、片方が無職の夫婦」と「共働きで16~19歳の子供がいる」というパターンになります。 
つまり、「配偶者控除」か「扶養控除」が、38万円の家族ってことですね。

「共働きで大学生の子供が一人」の場合は、正確には19歳以上23歳未満の子供ってことになります。19~23歳の扶養親族の場合、「特定扶養親族(63万円)」と、普通の扶養控除より額が多くなります。

「夫婦、高校生の子供一人」は、専業主婦(主夫も含む)と高校生の子供一人で、合計の控除額が38万円x2人の76万円になります。

つまり、他の控除を多く受ける人は、ふるさと納税ではあまり控除されない。ということになるかと思います。

控除額を計算してみる

では、実際にどれくらい控除され、税金が安くなるか計算してみましょう。控除は「所得税」「住民税」の両方で控除が適用されます。
以下では、平成25年度の私の収入で、ふるさと納税をした場合で計算してみました。

平成25年度収入など

総収入金額 970万円 ※1
課税される所得 350万円 ※2
住民税 42万7600円 ※3

上の条件で計算してみます。

所得税

「ふるさと納税」は、所得税でも全額控除されます。が、

という決まりがあります。「総所得金額等」とは、給与収入から給与所得控除額を控除した金額、年金受給者の場合は、年金収入から公的年金等控除額を控除した金額です。
総所得金額等の40%も寄付する人はまれでしょうから、ほとんどの人が全額控除されると思ってよいでしょう。

4万円を寄付した場合

さて、私の平成26年度の課税される所得(必要経費所得控除を引いた額)※2は、350万円ほどでした。所得税は、この「課税される所得」の金額によって税率が違ってきます。以下の表は、2014年時のものですが、この表に当てはめると、所得税の税率は「20%」になります。



 
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 40% 2,796,000円

よって、「ふるさと納税」で所得税が返ってくる金額を求めるには、40,000円を寄付したと仮定すると、

(40,000円(ふるさと納税) - 2,000円) ☓ 20%(所得税率) = 7,600円

確定申告をすることによって所得税が、7,600円返って(もしくは安く)来ることになります。

住民税

住民税は、所得税と比較して少し複雑で、「基礎控除」と「特例控除」の2つの控除になります。

住民税 基礎控除

基礎控除は所得税の控除と同じです。が、住民税の税率が10%固定なので、

( 40,000円 - 2,000円 ) ☓ 10% = 3,800円

住民税 特例控除

特例控除の計算式は、所得税の時に用いた所得税の税率を使って計算します。

( 40,000円 - 2,000円 ) ☓ ( 90% - 20%(所得税率) ) =

38,000円 ☓ 70% = 26,600円

特例控除は、上限が設定してあり、最大で住民税の1割となっています。
住民税が、42万7600円だとすると、

427,600円(住民税) ☓ 10% = 42,760円

26,600円 < 42,760円

となり、住民税の1割以下なので、特例控除で求めた2万6600円がまるまる控除されます。
4万2760円以上となる金額は、

( Y円 - 2,000円 ) ☓ ( 90% - 20% ) = ( Y円 - 2,000円 ) ☓ 70% = 42,760円

Y = 59,086円

となり、約5万9000円を超える金額を寄付しても、控除の対象にはなりません。

損得

さて、平成25年に4万円をふるさと納税として寄付していた場合と、寄付しなかった場合でどのくらいの差になっていたのでしょう。

控除の合計

7,600円 + 3,800円 + 26,600円 = 38,000円

ふるさと納税で4万円を寄付した場合、3万8000円ほど所得税と住民税が安くなりました。
そのため2千円の寄付で、4万円ぶんの寄付をしたことになる計算になります。

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投稿日:2014/10/12 01:19:43
更新日:2017/02/01 11:18:32

 

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