法人にすると税金は安くなる?

法人にすると税金が安くなる。といいますが、本当でしょうか?今回は法人(会社を立ち上げた)にした場合、税金がどういう理由でどう安くなるか調べてみました。

法人にすると税金は安くなる?

最終更新日:2017/01/31 21:51:42 twitter Facebook はてブ LINE

個人事業主(いわゆるフリーとか独立とか)になったり、副業・副収入がある場合(バイトも含む)、自分で確定申告しなければならないので、サラリーマンと違って一括で所得税を払わなければなりません。
それと、サラリーマンでは最も控除額が大きい「給与所得控除」が無いので(給与所得の副収入であればありますが)、同じ年収でも個人事業主とサラリーマンとでは税金が高くなることが多いです。

スポンサード リンク

 

よく、独立すると経費が認められるので、税金が安くなる。なんていう人がいますがとんでもない!
年収300万円ほどでも、サラリーマンの年収500万クラスの税金がかかってくることも…。

「税金が高くて…」なんて話をすると、「法人にすれば税金が安くなるよ」なんて言われることが多いんですけれど、実際どうなんでしょう。
そこで今回は、法人にすると税金面でどういった節税効果があるのか、まとめてみました。

法人にすると税金面で有利な点

個人事業主の場合は、売上から経費を差っ引いた額が、そのまま自分の収入になるわけですが、法人にした場合は、社長となるので売り上げから給与という形で支払われ、それが自分の収入になります。
もし、給与を払っても残った場合は、会社の利益として扱われます。
この場合、法人税がかかってきますから、なんか法人(会社を立ち上げた)方が、税金が高くなるような気が…?

所得税・住民税が安くなる

上にも書きましたが、給与所得の場合、「給与所得控除」というありがたい控除が適用されます。
給与所得控除とは、サラリーマンはスーツや靴、そしてかばんなどは、自腹で購入しますよね。
それ以外にも、携帯電話や通勤用の車も自腹で購入しますね。
仕事で使った通信費や、ガソリン代は会社から支払われたりしますが、携帯の購入費や車の購入費までは会社は面倒見てくれません。
まぁ、私用でも使うから。と思ってる人が大半でしょうが、個人事業主の場合、仕事で使う機器や車などは、経費として売り上げから差っ引くことができます(売り上げが少なくなれば、税金が安くなる)。
ただし、私用で使っている割合と仕事で使っている割合を求めなくてはなりません(このことを按分(あんぶん)といいます)が、それでも売り上げから引くことができるんですね。

こうした機器や車の購入費だけじゃなくて、電気代や電話代やら接待費なんかも経費として計上できます。
ところが、サラリーマンは経費が認められていません。
そこで、だいたいこのくらいの年収のサラリーマンであれば、これぐらい、経費として使っているんじゃないか。という計算式を用意して、収入から差っ引いてくれます。
これが「給与所得控除」と呼ばれるものです。

ここまで聞くと、自分の車やパソコン、それから家賃まで経費で落とせる個人事業主の方が得だな~。なんて思うかもしれませんが、意外とこういう経費を足して言っても、それほどの額にならないんですね。
特に、株やFX、それからアフィリエイトやオークションなんかで収入を得ている人は、車も必要ないし、家賃を按分してもそれほどの額にならないし、経費がほとんどかからないんです。

ところが、この給与所得控除は、職業や業種にかかわらず、年収からとある計算式で求めた値をひいてくれるんです。
とある計算式とは・・・

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超    3,600,000円以下 収入金額×30% +  180,000円
3,600,000円超    6,600,000円以下 収入金額×20% +  540,000円
6,600,000円超    10,000,000円以下 収入金額×10% + 1,200,000円
               10,000,000円超  収入金額× 5% + 1,700,000円

たとえば、収入金額が600万円だとすると、

600万円 × 10% + 120万円 = 180万円

になります。
1カ月当たり15万円ほど経費がかかっている計算になります。
たとえば、株で1年間の収入が600万円になった。なんていう人がいた場合、月々にかかる経費なんて、「電気代」「電話代」「プロバイダー代」「雑誌代」などもろもろ合わせても、月に2~3万程度しかいかないでしょうから、とんでもない「差」になってくるわけです。

で、法人にした場合は、自分に給料が支払われる形になるので、「給与所得控除」が適用されるわけです。

経費、もしくは控除が多ければ多いほど所得税は安くなります。
また、住民税も安くなります。

家族に給与を分散できる

所得税は収入が多ければ多いほど、税率自体が上がります。
つまり、年収600万円の人の所得税は、300万円の人の倍以上の所得税になります。
そこで、奥さんや家族の一員を雇って、社長である自分の給与を減らせば、税率が低くなるので所得税も安くなります。

たとえば、所得が600万円で自分一人の収入にした場合、所得税は1,114,500円になりますが、自分が300万円。奥さんも300万円の収入として計算すると、奥さんと自分との所得税の合計は、580,500円と、約半分になります。

配偶者控除が適用される

個人事業主でも奥さんを雇ったことに出来るんですが、その場合、配偶者控除が適用されなくなります。
配偶者控除は、奥さん、もしくは扶養家族の年収が38万円以下の場合に適用される控除で、サラリーマンでも年末になると年末調整用に用紙を2枚渡されると思いますが、配偶者・扶養家族がいて収入が少ない場合、それを養っている人の税金が安くなる控除になります。

個人事業主で青色申告を行っている人は、事業の専従者に給料を支払う時は、「青色事業専従者給与に関する提出所」を税務署に提出しなければなりません。
また、この届け出に記載した給与を支払っても経費として認められません。
ところが法人の場合は、こうした届け出は必要なく、年ごとにですが、給料を増やすことができます。

私のような独身には上記のようなメリットは関係ないですね…。って、奥さんだけでなく両親に給与を支払っても同じことになるので、家族がいる場合は法人にした方が税金は安くなる可能性があります。

消費税を支払わなくてもいい免税業者の期間

消費税は、1,000万円を超える課税売上があった場合、2年後から消費者から預かった消費税を納税しなければなりませんが、個人事業主から法人にした場合、個人事業主時代に1,000万円以上の売り上げがあって場合でも、法人にして2年間は免税業者として支払わなくてもよくなります(資本金の額が1,000万円未満の場合)。
1,000万以上の売り上げにもなると、たった5%でも額がでかくなるので、法人にした場合はメリットが生じます。

赤字の繰越期間が7年に

個人事業主でも、青色申告をしている場合、赤字を3年間にわたって繰り越すことができます。
たとえば、初年度にマイナス100万円の赤字が発生した場合、翌年、黒字になった場合は、相殺する事が出来るんですね。
その赤字分は、3年間にわたって有効です。
初年度赤字を出したけれど、翌年以降はずっと黒字。なんて場合、初年度の赤字分を3年間、相殺する事が出来るわけです。
これが法人にした場合、7年間に伸びます。

法人にするデメリット

法人にした場合の税金に関するメリットを書いてきましたが、当然デメリットというか、これらの税制面での優遇をうけるためには、それなりの制約もあります。
白色申告と青色申告も、税金面での特典の違いがありました(青色申告特別控除)が、この特典をうけるためには、「複式簿記で記帳する」とか「青色申告承認申請書を提出しないといけない」等々制約があるのと同じです。

法人にした場合は、自分の給料を最初に決めなくてはいけません。
そのため、月々の収入が一定しない場合、逆に税金が高くなることも。
それ以外にもいろいろな書類を提出したり、社会保険に加入したり、会社の規則を決めたり・・・と、めんどくさい処理がたくさんあります。

このカテゴリーでは、そうしたデメリットやメリットを紹介していこうと思います。

日付 相手勘定科目 摘要 借方金額 貸し方金額 残高
  相手補助科目 補助科目 消費税額 消費税額  
01/07 消耗品費 A4コピー用紙   2,000円 -4,000円
  アマゾン購入        
01/15 通信費 docomo 12月分   12,000円 -16,000円
  携帯電話代        
01/17 事業主貸 映画鑑賞券   1,800円 -17,800円
           
01/25 普通預金 VISA支払い 17,800円   0円
  ジャパンネット銀行        

 

スポンサード リンク

投稿日:2010/12/05 20:35:32
更新日:2017/01/31 21:51:42

 

| このページのトップへ | 管理 |twitter Facebook はてブ LINE

カテゴリー